犬を飼う前に勉強する国があるって知っていますか?

犬を飼う前に勉強する国があるって知っていますか?
これから犬を迎えようと考えている方にも、すでに犬との暮らしを始めている方にも、「かわいい」の先にある準備について、一度立ち止まって考えてみてほしいテーマです。
海外には、犬を迎える前に学ぶ仕組みがある地域があります。今回は、その一例としてドイツのニーダーザクセン州を紹介しながら、日本で犬を迎える準備をするときのヒントをまとめます。国全体の話ではなく、州の制度の話であること、制度は変わる可能性があることだけ、先にお伝えしておきます。最新の内容は、各自治体や公的機関の情報でご確認ください。
ドイツ・ニーダーザクセン州の「飼い主資格」
ドイツ全土で同じルール、というわけではありません。州によって決まりが違います。そのなかでよく知られているのが、ニーダーザクセン州の飼い主向けの知識確認です。
公式には「飼い主としての知識の証明(Sachkundenachweis)」と呼ばれ、いわゆるHundeführerschein(犬の飼い主資格・犬の運転免許証のようなもの)として紹介されることも多い仕組みです。初めて犬を飼う人などを対象に、理論と実技の確認が求められます。
ニーダーザクセン州の公式情報では、おおむね次のような流れです。
- 理論試験……犬を迎える前
- 実技試験……犬を迎えてから1年以内
理論では犬との暮らしに必要な基礎知識を、実技では犬を安全に扱えるかを確認します。準備の講習そのものは必須ではなく、試験で証明する形です(ただし多くの人が、犬学校などで学んでから臨みます)。
加えて同州では、犬の登録や、損害賠償に備える責任保険なども、犬の飼い主の義務として位置づけられています。噛みつき事故の予防と、動物福祉の両立を目指した州の法律(ニーダーザクセン州犬法)に基づく考え方です。
制度の目的は「犬と人が安心して暮らすため」
この仕組みの目的は、飼い主を困らせることではありません。犬と人が、同じ社会のなかで安心して暮らすための土台づくりです。
犬の気持ちを読み違えたり、危険な場面に気づけなかったりすると、犬も人もつらいことになります。迎える前に一度学び、迎えてからも実際の関係のなかで確認する——その順番が、ニーダーザクセン州の特徴です。
「飼ってからなんとかする」ではなく、「迎える前に考える」。犬を飼う前の学びが、制度として見える形になっている例だと言えます。
日本との違い
日本では、狂犬病予防法に基づく登録や予防注射など、大切な義務があります。一方で、迎える前に必ず理論試験を受ける——といった州単位の仕組みは、一般的ではありません。
どちらが正しい、という話ではありません。文化も暮らし方も違います。日本にも、丁寧に学びながら犬との暮らしを大切にしている飼い主さんはたくさんいます。
違いとして見えるのは、「迎える前に学ぶ」ことが、制度として見えやすいかどうか、くらいです。海外の例を知ることは、日本の犬の飼い主が自分の準備を見直すきっかけになり得ます。
犬を迎える前に知っておきたいこと
ニーダーザクセン州の例から、犬を迎える準備として意識したいことを、当犬舎の目線で整理してみます。
- 犬種の性格・運動量・被毛ケア・暑さへの弱さなど、暮らしの現実を知る
- 家族みんなが賛成し、長期的に世話できるか想像する
- 費用(食事、医療、トリミングなど)の目安を考えておく
- 留守番や近隣への配慮など、生活ルールを話し合っておく
- 迎えてからも、社会化や基本的な扱いを学び続ける
サモエドは人好きで魅力的な一方、抜け毛や暑さ、運動量など、ハードルもはっきりしている犬種です。「かわいい」だけで進まず、犬を飼う前に一度調べてみる時間は、犬にも人にもやさしい準備だと思います。
当犬舎では、少頭数・計画繁殖と事前予約制を基本に、お迎え前のご相談を大切にしています。チェックリストやお迎えまでの流れも、参考にしてみてください。
まとめ
ドイツ・ニーダーザクセン州では、初めて犬を飼う人などに、迎える前の理論試験と、迎えてから1年以内の実技試験という形で、飼い主の学びが求められます。目的は、犬と人が安心して暮らすことです。
日本に同じ制度をそのまま持ち込む必要はありません。ただ、「犬を飼う前に学ぶ」「犬を迎える準備をする」という姿勢は、どの国でも共通して大切な土台だと感じています。
犬との暮らしは、迎えた日からが本番です。だからこそ、迎える前の一歩がやさしくてあたたかいものでありますように。
ご予約・ご相談は、お問い合わせフォームまたは公式LINEからどうぞ。子犬の社会化期についてやサモエドの夏の過ごし方もあわせてご覧ください。
※本稿は執筆時点で確認できる公的情報をもとにしています。ニーダーザクセン州の制度詳細は、州の農林消費保護省や関連機関の最新発表をご確認ください。
